大日本窯業協會雑誌
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石灰の燒成に關する研究 (第16報)
低温燒成生石灰中の酸化カルシウム結晶の大さとその定位
野田 稻吉桑原 辰雄
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1944 年 52 巻 616 号 p. 142-145

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抄録
純炭酸カルシウムを原料とし減壓下650℃乃至950℃に〓燒せる酸化カルシウムの超微晶の大さをX線的方法により測定した. 粒の大さの計算にはV. Laue式を適用し, X線撮影條件も之の適用に充分なる様にした. その結果炭酸カルシウムよりの分解初生晶は約100Åの桁と推測され, 850℃-950℃の間に於て集合結晶化が稍々著しくなることを認めた. 又廻折線強度比より結晶格子歪を測つた. 格子歪は集合結晶化の著しくなろ温度より低温で既に消滅すると思はれる.
方解石單結晶を〓燒して得た生石灰粒中の酸化カルシウムは原炭酸カルシウムに對しある配列をなす. X線繊維圖の解析より酸化カルシウムは原方解石の 〔111〕 に平行に自身の 〔111〕, 〔110〕, 〔100〕 を繊維軸として配列することを認めた. 炭酸カルシウム及び酸化カルシウムの原子配列よりみて略妥當と考へられる.
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© The Ceramic Society of Japan
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