窯業協會誌
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石膏スラグセメント (第3報)
養生と風化
近藤 連一
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1955 年 63 巻 704 号 p. 19-21

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抄録

石膏スラグセメントについて各種養生条件と風化について調べた.
この種セメントモルタルの表面硬化に対し, 特に初期に乾燥と炭酸化から防ぐ必要があり, 少量のC3A, C6A2Fのようなアルミネートの添加は幾分効果がある. 凝結の初期に, 水蒸気による加熱促進養生をする試みは好結果を得なかった. これはさらに研究を要しよう.
風化させたスラグ粉末で造られたセメントは, 初期強度が低いが長期強度は劣らなかった. 石膏スラグセメントを風化させると, その間に最高強度を現わすことがあるが, これは過剰に加えられていたアルカリ刺戟剤が中和されるのによるもののようである. 風化してほとんどセメントとしての性能を失った場合にも, 少量のアルカリ刺戟剤をさらに加えるとかなり硬化能力を取りもどすことができた.
本研究に当り懇切な御指導と校閲を賜つた山内俊吉教授に厚く感謝の意を表す.

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© The Ceramic Society of Japan
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