窯業協會誌
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緑色及び黒色炭化ケイ素研磨材から得られたサブミクロンα-SiCの焼結と焼結体の組織
長谷 貞三鈴木 弘茂
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1980 年 88 巻 1016 号 p. 161-168

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抄録
緑色 (GC) 及び黒色 (BC) 炭化ケイ素研磨材からサブミクロン粒子を得, フッ化水素酸処理 (-F粉末) 及び混酸処理 (-FN粉末) した粉末の焼結性, 構成多形の変化及び得られた焼結体の組織を調査した. 混酸処理によって比表面積が約2倍に増加する効果が見いだされ, -FN粉末は-F粉末より収縮開始温度が100°-150℃低下した. 酸処理粉末はHe中2030℃, 1時間の焼結で96-98%TDに達した. GC-F焼結体の組織は平均粒径2μmの等軸形状粒子から成っていたが, GC-FN焼結体のそれは大きく伸長した粒子を多数含んでいた. BC-FとBC-FNの2030℃焼結体はGC-FNのそれと似ていたが, 2130℃焼結体はすべて伸長形状の粒子から成る粗い組織であった. この組織は粒界相を経路とする物質輸送がAl不純物によって促進されたためと考えられ, Al不純物の影響は焼結体を構成する多形が4Hに富んでいたことで裏づけられた.
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© The Ceramic Society of Japan
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