Journal of the Ceramic Society of Japan (日本セラミックス協会学術論文誌)
Online ISSN : 1882-1022
Print ISSN : 0914-5400
ISSN-L : 0914-5400
医用生体材料としてのガラス関連材料の最近の進歩
小久保 正
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 99 巻 1154 号 p. 965-973

詳細
抄録

1971年にバイオグラスが発見されて以来, 高強度, 高切削性, 短時間硬化能, フェリ磁性などの各種の機能を示す種々の生体活性ガラス及び結晶化ガラスが開発されてきた. それらの中のいくつかのものは既に重要な骨修復用埋入材料として臨床応用されており, 癌治療に対してすら有効なことが明らかにされてきている. 生体活性を支配する因子もかなり明らかにされてきた. これらの知見に基づければ, 高靭性と低弾性率のような他の種々の機能を示す新しい生体活性物質も近い将来ガラスから得られる可能性がある. 良好な成形性や, 天然の外観, 放射性などの種々の機能を示す, 生体活性ではない不活性なガラスも歯冠や, 癌治療のための放射性担体などとして生医学的応用の分野で有用なことが明らかにされてきた. ガラス関連材料は次の10年の間に生体医用材料として, 更に重要な位置を占めるものと思われる.

著者関連情報
© The Ceramic Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top