抄録
自然発生した遊びを主とする不確実性の多い保育実践の中で、指導計画は保育者によって具体的にどう用いられているのだろうか。子どもの遊びの姿と保育者の援助、そして指導計画の関連のあり様を描くことを試みた。結果、日々表現される子どもの姿を捉えながら保育者は対応し、保育者の対応によってまた新たな子どもの姿が現れる。それは時間の経過とともに変容を見せる。指導計画との関連については、以下の内容を確認した。1)個人の状態は次週のねらいに影響しないが、子どもに対する保育者の援助の方向性には影響していた。2)クラスの子ども達がねらいの姿と合っていた時には、次の週案のねらいが更新された。3)現在の週案よりも先の発達の姿を見せた子どもに保育者が援助する時、その援助と子どもの姿が異なる場合には、先の期案に描かれる子どもの姿に向けて援助の方向性を確認するに留めていた。