自然発生した遊びを主とする不確実性の多い保育実践の中で、指導計画は保育者によって具体的にどう用いられているのだろうか。子どもの遊びの姿と保育者の援助、そして指導計画の関連のあり様を描くことを試みた。結果、日々表現される子どもの姿を捉えながら保育者は対応し、保育者の対応によってまた新たな子どもの姿が現れる。それは時間の経過とともに変容を見せる。指導計画との関連については、以下の内容を確認した。1)個人の状態は次週のねらいに影響しないが、子どもに対する保育者の援助の方向性には影響していた。2)クラスの子ども達がねらいの姿と合っていた時には、次の週案のねらいが更新された。3)現在の週案よりも先の発達の姿を見せた子どもに保育者が援助する時、その援助と子どもの姿が異なる場合には、先の期案に描かれる子どもの姿に向けて援助の方向性を確認するに留めていた。

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本研究の目的は、環境世界論に即して子どもの生活場面を検討することであった。対象はS児(男児,2014年1月6日生)が保育所のテラスで靴を履こうとする場面で、2016年1月28日から4月13日の問に観察された5事例(S児の月齢; 24ケ月-27ケ月)とした。主な結果は以下の通りである：①テラスで履くことにより、より安定した姿勢で靴を操作しようとする事例と、縁まで移動して履くことにより、縁を境とした地面=戸外で靴を使おうとする事例が観察された　②足先を履き口に突っ込む際に、靴を高い位置で構えたため足を大きく挙げる必要が生じて上体が仰け反り、靴の向きを垂直に構えることが難しい事例と、靴を低い位置で構えたため足を高く挙げる必要がなくなり、やや前屈みの姿勢を保ちながら足先を突っ込むことに成功する事例が観察された。③靴の履き口の側面を掴んで踵を押し込もうとする事例と、手のひらを靴裏にあてて包み込むように掴んで押し込もうとする事例が観察された。考察として、S児は靴を履く経験を再構成していることが議論された。

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2015年に国連が示したSDGs(持続可能な開発目標)は、各国の企業や地方自治体などが達成目標を定め、経済•社会•環境の三側面を統合して取組んでいく活動である。内閣府は2018年より「SDGs未来都市」を選定し支援金を付与することで、自治体の「SDGsの取組割合」を増加させ、持続可能なまちづくりに繋げようと試みている。本稿では、「SDGs未来都市」の提案書の中に、子どもが主体となって地域づくり•まちづくりに「参加する権利」がどのように盛り込まれているかを探った。対象として、「子ども条例」を制定している自治体を調査した。その結果、「子ども条例」を掲げている自治体すべてが、SDGsの文脈で子どもの「参加する権利」を位置づけているわけではなく、その政策には地域差があることが明らかになった。

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本論では、貧困な家庭の子どもへの支援として、多職種との連携•協働による多層支援について述べた。当事者として子どもを主体とする支援では、問題の個別性や連続性に対する包括的な支援として、なぜ多層支援が必要か、何が必要かを示した。貧困家庭の子どもへの支援で求められる連続的で多層的、包括的な支援を可能にするために、子どもが参画し、メンバーの多様性を受け入れ、専門性や役割等の共通理解と、相互補完性のある連続的な協力関係を築くことが求められる。

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The Japanese new national core curriculum for basic education started in 2020, in which foreign language education is introduced in the third year of schooling. Echoing to this movement, there are pressing needs to educate teachers who can teach a foreign language to young children and to start language learning as early as in kindergarten. The aim of this study is to investigate foreign language education and teacher training for it in Finland, the country where many of the people can speak several foreign languages. Especially, this study focuses on one teacher training program in Finland that aims to educate classroom teachers to teach English as a foreign language. The findings indicated that the program is carefully organized to promote students’ intelligent thinking and professional identity, which further reinforce their teacher agency. The courses emphasize more on diversity and multicultural and multilingual education rather than how to teach English. The findings would be beneficial for developing foreign language education and teacher training in Japan.

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