抄録
小学校低学年の教科として設定されている生活科では,保幼小接続が大きな軸の一つである。本研究では,教員養成課程の生活科に関する授業の中で,保幼小接続に関する内容がどの程度扱われているのかについて大学のシラバス調査をもとに明らかにした。学習指導要領の中では多岐にわたり,スタートカリキュラムや保幼小接続に関する文言が示されているにもかかわらず,生活科に関するシラバスの中にこれらに関連する記述がみられたものは3割程度と非常に少なく,大学の授業カリキュラムの中身として必要な要素が十分に反映されているとは言い難い現状が明らかになった。今後は,生活科の授業内容の校正を保幼小接続の視点からも見直す必要があるといえる。