抄録
子どもの遊びを「子ども自身の文化」とみる藤本浩之輔の子ども文化論を、生き方としての子ども、及び、子ども-大人関係という二つの教育人間学的主題に即してたどる。焦点となるのは、子どもにおける「文化創造」の理解である。これはまず、大人の文化から相対的に自律した遊びの世界における〈子ども=子どもたち〉という生き方に固有の創造性として理解される。またさらに、大人社会との関係性を超越する、子ども自身の意味世界の創造としても理解される。そこで、子どもの文化創造に応じる子ども-大人の教育関係は、子ども文化と大人文化の関係性と共に、日常と超越という関係性を介して問い直される。子ども-大人の創造的な関係は、両者が、日常生活のうちに、日常を超える意味世界に通じる遊びのゆとりを共にもつことにおいて初めて生まれる。