抄録
本研究は、3 歳未満児保育における年齢別の安全配慮の特徴とその構造を明らかにすることを⽬的とした。0・1・2 歳児クラスを担当する保育者計9 名(経験年数3-36 年)に対して半構造化インタビューを実施し、SCAT 分析を⽤いて検討した結果、109件の理論記述が得られ、13 のカテゴリーに分類された。年齢別の特徴として、0 歳児クラスでは⽣命の安全に直結する基本的配慮と発達段階に応じた細やかな環境構成、1 歳児クラスでは活動範囲の拡⼤に伴う⾒守りと探索⾏動の保障、2 歳児クラスではこども⾃⾝が安全な⾏動を選択できるような教育的関わりが重視されていた。また、年齢が上がるにつれて、保育者の安全配慮は⾒守りと危険からの保護から、こどもの主体的な活動を保障するための配慮や教育的な働きかけへと重点が移⾏していく傾向が⾒られた。全クラスに共通する特徴として、環境設定の⼯夫、職員間の連携と情報共有、保護者との連携、指導計画への安全配慮の記載の重要性が挙げられた。さらに、保育者の経験年数による視点の違いも明らかとなり、経験年数の⻑い保育者は時代の変化への対応、中堅保育者は具体的な安全教育の⽅法、若⼿保育者は職員間の連携強化についてそれぞれ特徴的な視点を持っていた。これらの結果は、3 歳未満児保育における発達段階に応じた安全配慮の在り⽅や保育者の専⾨性の向上に重要な⽰唆を提供するものである。今後は、3 歳以上児も含めた調査や、より⼤規模かつ多様なサンプルでの検証が必要である。