抄録
引抜き試験は，補強材と土との相互作用の特性を把握するのに有効である。その中で，補強材と土との引抜き過程での相互作用の問題を粒子レベルにおいて検討することは，実際の補強土地盤の挙動を把握するのと同様に重要である。本研究では，補強土の引抜き過程での挙動を粒子レベルで観察するために離散体解析の代表的な方法であるDEM 解析を行った。特に，締固めの違いが結果に与える影響を調べるために，供試体の間隙率を変えた解析を実施した。具体的には，まず，DEM 解析に必要な主要パラメータが結果に及ぼす影響について考察し，パラメータの同定法について言及した。次いで，引抜き試験のDEM 解析を実施し，粒子レベルでの特性と巨視的な挙動との関連性について考察した。
