2008 年 23 巻 p. 155-160
ジオテキスタイル補強土壁を設計する際に,円弧すべりを想定した全体安定の検討を行うと,ジオテキスタイルの敷設長さを非常に長く設定しなければならない場合がある.このような場合に,全ての補強材長さを長くすることは非常に不経済であり施工性も悪い.本論文では,このような場合に通常の補強材よりも強度が高い高強度ジオテキスタイルを用いることを考える.まず,高強度ジオテキスタイルを用いた補強土壁について,遠心模型実験を行い,鉛直荷重に対する補強土壁の静的な安定性について基礎的な検討を行う.さらに,高強度ジオテキスタイルを用いた補強土壁の振動台模型実験を実施して,地震時の安定性についても検討する.