2009 年 24 巻 p. 189-192
山間部の多いわが国ではこれまで膨大な落石防護柵が構築されてきた.しかしながら,落石調査の際に,既設落石防護柵の可能吸収エネルギー以上の落石発生源が新たに発見されることも少なくなく,既設落石防護柵が機能不足となっている例も多い。これに対し,その都度新たな落石防護柵を再構築することは費用の観点から現実的ではないため,合理的な対策工の開発が急務となっている.本論文では,繊維製のエネルギー吸収ネットを用いて,既存の落石防護柵を有効に活用し,既設落石防護柵の不足する機能の向上をはかる合理的な対策を提案する.