2009 年 24 巻 p. 263-268
壁面材(コンクリートパネル)と補強盛土体の間に変形吸収層を設けた二重壁構造をもつ補強土擁壁の地震時安定性を検討した結果を報告する.この補強土擁壁の1/10サイズの模型で室内振動実験を行ったところ,壁面材と補強盛土体は一体となって挙動することを確認した.この実験結果に対して数値解析を行って,実験結果の再現を試みた.数値解析では,地盤にMohr-Coulomb降伏基準と簡単な非関連流れ則を用い,Newmarkのβ法による直接積分を行った.できるだけ実際に近いモデル化を行った数値解析により,実際の振動実験結果を,ある程度表現できることを示す.