2009 年 24 巻 p. 61-68
ジオグリッド補強された土構造物は1980年から補強の分野において重要な役割を担っている。一般的に、ジオグリッド補強構造物を設計する際は、ジオグリッドの相互作用挙動は直接検討されていない。その代わりに、相互作用強度は土の圧密排水強さによって説明されている。しかし、土の強度を強め、多大な保守性を有する締め固めやサクションの効果は考えられていないため、工事において余計な費用を費やしてしまっている。さらに、適切な排水法によると、設計時は土構造物の持続性に対する水の影響は特に考えられていない。その結果、補強された土構造物は降雨によって崩壊してしまう可能性がある。したがって、締め固め効果やサクションの影響が土構造物の挙動に影響していると考える傾向にある。このような傾向にあるように、降雨による崩壊を避けるために、ジオグリッドの相互作用挙動を注意深く調査する必要がある。本研究では、降雨の浸透をシミュレーションした引き抜き試験によって、降雨の浸透と圧密の影響について考察する。相互作用挙動において浸透効果を調査するために、浸透した供試体の引き抜き挙動は、乾燥状態のものと最適含水比の状態の供試体と比較する。そして、引き抜き試験の供試体は、圧密の影響を考慮し、さまざまな温度下で圧密を行った。試験の結果は、浸透することでジオグリッドの相互作用の引き抜き強さは著しく減少したことが分かった。その一方で、締め固めにより引き抜き強さの浸透の害を緩和することはできなかったが、引き抜き強さのピークは明らかに強めることができた。