列車通過に伴う路盤変位が大きい箇所では,曲線外軌側のバラストが振動により徐々に崩れて軌道内に流れこむバラスト流動化現象が発生する場合がある.そのような箇所ではバラストが軌道の横移動を抑える力が弱まり,軌道狂いが発生する恐れがあるため,頻繁に保守を行っている.そこで,バラスト流動対策としてまくらぎ端部のバラストをジオテキスタイル製の網目袋(ジオテキバッグ)に詰め,移動を拘束する工法を検討した.効果を確認するため,バラスト流動現象が発生している剛性の低い路盤を模擬した実物大模型軌道を作成し,列車相当の荷重で軌道の強制加振実験を行った.その結果,無対策のケースではバラスト流動現象が発生したが,ジオテキバッグでまくらぎ端部のバラストを拘束したケースではバラスト流動が発生せず,一定の効果がみられた.