2011 年 26 巻 p. 131-136
現場や模型実験における遮水シートの伸び挙動を把握する時,箔ひずみゲージを接着して評価する方法が用いられるが,箔ひずみの剛性は遮水シートの剛性より大きいため,計測ひずみ値はゲージ接着部周辺に生じているひずみ値より小さくなる.そこで,剛性の異なるHDPE,LLDPE,PVCシートを用いて,幅100mmチャック間長さ238mmの供試体に対する引張り試験を行い,供試体伸び量ら評か価する平均伸びひずみとゲージ計測伸びひずみの比(この比を補正率と定義)を評価した.実験では引張り速度を0.1-10.0mm/minの間で7段階に変化させて行い,その結果,剛性の高い遮水シートほど補正率が小さく引張り速度の影響を受けにくいが,剛性の低いシートではひずみ量が小さいほどまた引張り速度が遅いほど補正率の値が大きいことが分かった