本報は海面管理型廃棄物最終処分場の遮水シートに関して,折れ曲げ部の品質確認試験を行ったものである.施工において,遮水シートのシワや弛みなどが放置された状態で覆土されると,遮水シートに折れ曲げ部が発生することが予想される.この場合,折れ曲げによる局所的な母材の伸びによって,厚みの低減や材料の応力緩和などにより品質低下が懸念される.今回は,高比重の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)製の遮水シートを用いて,折れ曲げ回数(1回折り,2回折り),載荷荷重,載荷時間を現場条件に対応させた試験片に対して,引張試験および水圧膨張試験により品質確認調査を行った.試験の結果,今回の載荷応力レベル,折れ曲げ回数,および載荷時間の範囲内において,遮水シート折れ曲げ部の強度低下は認められないことが分かった.