ジオシンセティックス論文集
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論文
補強材として竹繊維を用いた建築用壁土の 強度及びひび割れ特性について
山下 亮介山中 稔小竹 望宇都宮 直樹宮本 慎宏
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2013 年 28 巻 p. 149-154

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抄録
日本の伝統的工法である土塗壁に使われる壁土は,施工される近郊で採取された土を用いることが多く,同 じ壁土であっても地域ごとに壁土の土質特性が異なっていることが予想される.また,乾燥収縮によるひび割 れ低減のために一般的に藁すさが壁土に補強材として混合されるが,その混合量は左官職人の経験と勘によっ て決定されている.一方,稲作工程の変化により藁すさの入手が困難となっているという現状がある.本研究 では,藁すさに替わる補強材として竹繊維を混合した供試体の一軸圧縮試験及び収縮ひび割れ面積測定を実施 した.その結果,竹繊維を用いることにより一軸圧縮強さが上昇し,収縮ひび割れ面積は低下した.また,壁 土の強度やひび割れ特性は地域によって異なっており,竹繊維を混合することにより,これらは改善の傾向を 示すことが明らかとなった.
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