抄録
福島第一原子力発電所から拡散した放射性セシウムの影響で,放射線による住民への健康被害が懸念されて いることから,住居や居住区近傍を除染することで放射線量を低減する除染工事が行なわれている.しかしな がら森林部近傍では一度除染を行っても,放射性セシウムを含んだ物質が風雨等により除染区域に流入するこ とで再び放射線量が上昇する可能性がある. この問題を解決するため,放射性セシウムを吸着できる機能を持たせたジオシンセティックスを除染後,ま たは除染区域や除染区域の周りに敷設・設置することで,放射性セシウムを含んだ物質の除染区域内への移行 抑制を目的とした実験を行っている.