2015 年 30 巻 p. 89-96
繊維材料が粒状材料に混入された繊維–粒子複合材料の応力・ひずみ関係を評価することは,繊維材料の種類や含有率による影響の評価や,複合地盤としての変形性の予測を考える上で重要である.本研究では,このような立場から,複合則を用いた繊維–粒子複合材料の構成モデルの構築を試みている.複合則では,繊維材料と粒状材料の挙動を明らかにし,各々の挙動の関連性を評価する必要がある.そこで本論文では,粒状材料内での繊維材料の変形挙動を明らかにした.また,実験結果を元に,繊維材料と粒状材料の挙動の関連性を考察した.結果より,繊維材料の変形挙動は弾完全塑性的な挙動に簡略化して評価できることを明らかにした.さらに繊維材料の変形は粒状材料の変形とひずみエネルギー増分が同等となるように進展することを考察した.