本研究は,除染廃棄物仮置場の上部キャッピング工として用いられる通気性防水シートの破損部や破損するおそれの高い部位を明らかにし,その部位を検出するために,ドローンを用いた手法を検討したものである.実際の仮置場を模擬した小規模な仮置場を作成し,キャッピング上部に雨水溜まりを再現した.歪ゲージを用いてキャッピングシートの歪みを実測し,併せて気温,日射量等の気象観測を行うことによってその関係を解析した.その結果,法肩部において歪が大きく,また日射の影響により大きく歪の値が変動することを明らかにした.また,ドローンにより撮影した画像を用いて3Dモデルを作成し,仮置場に生成した雨水溜まりによる変形状況の把握や体積推定を行うことができた.更に,ドローンで撮影した写真の画像処理を行うことによって,キャッピングシート表面の傷の検出が容易になることを示した.