抄録
2011 年東北地方太平洋沖地震では, 防潮堤よりも高い津波が越流することで多くの防潮堤が崩壊した. 2011 年以降,防潮堤の越流津波に対する安定性と安定化構造に関する研究が進められてきている. 深津らは, 補強材を敷設した防潮堤模型を作製し越流実験を行った. その結果, 海側2 割勾配・陸側5 分勾配のGRS 防潮堤の耐津波性能が高いことが分かった. 本研究では, 海側2 割勾配・陸側5 分勾配のGRS 防潮堤を基本構造として模型実験を行った. 越流時における堤体の浸透流の影響を評価するために, パネル間には隙間を設けて実験を行い, 堤体内の砂の移動状況と, それに伴う天端高さの変化など, 堤体の変形の考察を行った.