抄録
損傷があるジオシンセンティックスクレイライナー(GCL)の自己修復能力および損傷部の透水量係数に おける損傷部形状の影響について、定水位透水(漏水)試験によって調べた。三つの損傷部形状、即ち円、 長方形と正方形および異なる損傷の大きさを用いて試験を行った。径深( R h = 損傷面積/損傷周長)を用 いて、自己修復能力における損傷部形状の影響を検討した。試験結果から、修復率(α = 修復した面積/ 全損傷面積)は損傷部の形状に大きく影響していることが分かった。正方形・長方形損傷の場合、一定の 損傷面積において、αは R h の増加に伴って減少した。しかし、円形損傷と長方形損傷とを比べると、同じ 損傷面積、同じ R h では円形損傷のα値が高い。これは長方形・正方形の場合、角の部分で損傷部二つの垂 直の辺から損傷部にベントナイトが進入する際、お互いに影響し、結果として全体的に損傷部に進入した ベントナイトの量が減少し、自己修復能力が低下したと考えている。この現象を“角の影響”と定義して いる。