抄録
波浪の静穏度が確保されない沿岸域に遮水シートを用いた管理型護岸を築造する場合,遮水シートの沈設前 に下地となる石材(粒径60mm以下)が洗掘され遮水シートの敷設出来形が設計形状を満足しないことが懸念 される.対策として洗掘されない大きさの下地石材を用いる場合,石材の角により遮水シートが損傷する可能 性がある.本研究では,遮水シート(LLDPE, t=3mm)の必要品質を確保するために遮水シートと石材との間に 配置される保護マットの規格を,室内実験,現地実証実験,FEM解析により検証した.その結果,室内・現地 実験では遮水シート下面の保護マットに目付量1500g/m2以上の長繊維不織布を配置することで鉛直荷重80kPaま でを,より厳しい条件とした解析では目付量1700g/m2以上で同50kPaまで耐用できる可能性が示唆できた.