2020 年 35 巻 p. 115-120
近年,先進国では道路陥没の問題が顕在化しており,その主な原因は路面下空洞の形成と拡大であることがわかっている.本研究では,ジオグリッドを用いて路面下空洞がある地盤を安定化させるための室内模型実験を行った.模型地盤内に円柱状の空洞を作製し,載荷試験を行うことで地盤表面の沈下を測定した.得られた結果を比較することで,空洞のある地盤におけるジオグリッドの補強効果を調べた.補強なしの場合,ある荷重で急激な地盤崩壊が生じた.しかし,補強ありの場合,表面沈下は徐々に進み,地盤崩壊が見られることはなかった.このことから,路面下空洞のある地盤内におけるジオシンセティックスの補強効果が確認された.また,空洞の直径が大きいほど,地盤表面の沈下が大きくなったことから,空洞の幅が地盤の安定性に影響していることがわかった.