抄録
近年,多発する豪雨災害の激甚化・頻発化を受けて,越水に対して粘り強い河川堤防が求められている.筆者らは河川堤防裏法面に副産物である破砕貝殻層を敷設し,キャピラリーバリア(CB)土層を構築することで裏法面への雨水浸透抑制と,越水時の侵食抑制が可能なシェルネット型侵食抑制工(表面被覆型)を提案している.本研究は実規模大堤防の裏法面を模擬した傾斜水路内にシェルネット型侵食抑制工を敷設し,越流水深0.3 mで越流時間3時間後の貝殻充填ネットの引張強さ残存率を把握した.また,気象要因と砂摩耗による促進劣化試験も行った.その結果,所定条件下での越水後,気象要因および砂摩耗による劣化後の貝殻充填ネットの引張強さ残存率は,初期引張強さの30%以上であることを確認でき,その実用性を実験的に明らかにした.