ジオテキスタイルシンポジウム発表論文集
Print ISSN : 0913-7882
ジオテキスタイルの変形を考慮した安定解析手法に関する一考察
大型模型実験結果を用いた逆解析
吉岡 淳
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1989 年 4 巻 p. 28-34

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抄録

本報告では、まず、ジオテキスタイル等で補強された土構造物の安定解析手法としてフランスで提唱され、日本国内ではあまり広く知られていないDisplacement Method(変位法と称す)の原理を紹介する。この方法は、ジオテキスタイルに発生する変形を考慮した極限つり合い法の一つである。次いで、建設省土木研究所で実施した実物大の模型実験結果を用いてその妥当性を検討した結果を述べる。この実験は、補強土内に敷設したグリッドを順次切断し、自重により破壊に至らしめるものである。
変位法によって求めた築造直後の盛土内のグリッドのひずみ分布は実測値に良く合致するものであった。また、安定解析の結果から、クラックの発生、段差、盛土の崩壊という一連の変状を良く説明することができた。

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© 国際ジオシンセティックス学会日本支部
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