1989 年 4 巻 p. 35-41
軟弱地盤上で橋台ウィングに接続する擁壁を構築する計画に対し、従来の杭支持の逆T式擁壁の代わりに補強土工法を応用した新しい考えに基ずく直接基礎形式の擁壁を設計・施工した。すなわち、擁壁は多数アンカー式とするものの、その前面が川に面するため、完成形に対して十分なプレロードを行い、擁壁完成後の残留沈下を極力小さいものとするために、ポリマーグリッドを用いた急勾配補強盛土の試験施工を行い、本施工に採用することとした。本報は一連の検討結果ならびに動態観測結果を示し、同工法の有効性を実証したものである。