抄録
剛壁面補強土擁壁は、盛土材を選ばないという特徴がある。しかし、現実にはほとんどが砂質土系の良質な材料を用いている。今後、様々なところで施工性をあげかつ経済的なものを構築するためには、粘性土系の盛土材を用いることが要求される。
長野市内において北陸新幹線長野車両基地が幅約100m、全長約2kmの剛壁面補強土擁壁で建設されている。特徴として、約30mの超軟弱地盤上に施工していること、盛土材に粘性土を用い補強材に織布と不織布のコンポジット材を用いた永久鉄道構造物であることがあげられる。
本論文では、長野車両基地における軟弱地盤上の粘性土剛壁面補強土擁壁の土/水連成有限要素法による変形予備解析結果、及び実施工状況を示す。