抄録
補強土構造物を急斜面に設置する場合の設計施工上の問題点と安全性の評価を目標として,実物大の実証実験を実施した。急斜面上に道路や水路構造物を構築するための用地を確保することを目的として,急斜面を想定したソイルセメントによる人工地山を設け,この斜面上にジオグリッドと鋼製壁面材を用いた補強土壁を構築し,補強材と地山を固定するアンカーを併用した実物大補強土壁を施工,載荷実験を行った.本実験では,ジオグリッド補強材,補強材間隔,壁面材,壁面材形状などを変えた3種類の補強土壁構造物を構築した.また埋設管も補強土壁内に敷設した.本論では,3種類の壁面材を使ったジオグリッド補強土壁,アンカーとジオグリッドの連結,パイプラインの敷設などの施工方法,及び仕様について報告する.