2026 年 11 巻 p. 77-102
日本語のいわゆる主要部内在型関係節は過去50年以上にわたって主に生成文法の枠組みで理論的研究がなされてきた。本稿はそうした先行研究が取り上げてきた諸問題について実例観察をもとに検討する。具体的には,主要部内在型関係節の生じる位置,主要部名詞句の生じる位置を考察し,これらがこれまで論じられてきたよりも広範な格助詞・副助詞を伴うことができることを見る。さらに,主要部内在型関係節と関連構文の区別について考察し,主要部内在型関係節を明確に同定することの困難について論じる。最後に,理論的研究の問題点,実例観察の意義について触れる。