脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
ヒト脳腫瘍におけるchloroethylnitrosourea 薬剤耐性の評価法 : Northern blot法によるO^6-methylguanine-DNA methyltransferase mRNA 発現量の定量
浅井 昭雄William F. Bodell星野 孝夫
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 1 巻 2 号 p. 170-172

詳細
抄録

4種のヒトグリオーマ培養細胞株SF188,SF126,SF763,U251において,コロニー形成試験およびNorthern blot法を用いてchloroethylnitrosourea系薬剤(BCNU)耐性とO^6-methylguanine-DNA methyltransferase (MGMT)mRNA発現量との相関を検討した.SF188は最もBCNU耐性であり,しかもMGMTの発現も最も高かった.逆に,SF763およびU251はBCNU感受性であり,同時にMGMT発現量も低かった.SF126ではBCNU耐性もMGMT発現量も両者の中間の値を示した. 以上から,BCNU耐性とMGMT発現量の間には正の相関傾向が認められ,Northern blot法による腫瘍のchloroethylnitrosourea系薬剤耐性評価の可能性が示唆された.

著者関連情報
© 1992 日本脳神経外科コングレス
前の記事 次の記事
feedback
Top