脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
最新号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集1 てんかん外科と機能的脳神経外科
  • ―DBSシステムの進化―
    貴島 晴彦
    2020 年 29 巻 7 号 p. 470-474
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/25
    ジャーナル フリー

     機能的脳神経外科領域では, 植え込み機器を用いた治療法がその発展に大きく貢献してきた. 特に, パーキンソン病に対する脳深部刺激療法では, 脳の深部を刺激する刺激電極, 刺激電流を生み出す体内式刺激装置, それらをつなぐエクステンションリードが体内に植え込まれる. その他にも, 体外から経皮的に刺激をコントロールするプログラマーや充電式の刺激装置の場合では充電器が必要となる. これらの機器の技術改良と進化が, これまでのDBSの発展に寄与し, さらにその進化が未来の機能的脳神経外科を切り開くであろう.

特集2 Make the Invisibie Visibie―第33回日本微小脳神経外科解剖研究会合同セッション―
  • ―Make the invisible visible―
    秋元 治朗
    2020 年 29 巻 7 号 p. 475-485
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/25
    ジャーナル フリー

     脳腫瘍外科医の関心は, 腫瘍本体の病理像とともにその切除断端の病理である. その意味で, 腫瘍と正常脳との境界 (brain tumor interface : BTI) の病理に精通することは, 手術戦略の策定, 摘出限界の把握, 術後補助療法の選択, 予後推定など, 臨床的な示唆に富む.

     本稿では, まずBTIにおける正常脳の反応像を示し, その後, 代表的脳腫瘍のBTIの病理像を示した. 髄内腫瘍はその多寡はあるが, 腫瘍細胞の浸潤が認められる. 一方, 多くの髄外腫瘍は基本的に境界明瞭だが, 悪性髄膜腫では特異な浸潤パターンを示す.

     術前画像や術中では捉えられないBTIの病理像を知ることは, maximum safe resectionの達成に多くの示唆を与えるものと思われる.

  • 山尾 幸広, 松本 理器, 菊池 隆幸, 吉田 和道, 宮本 享
    2020 年 29 巻 7 号 p. 486-494
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/25
    ジャーナル フリー

     脳機能部位近傍の手術の際には, 脳機能温存のために経時的に脳機能が確認できる術中電気生理学的モニタリングが必要である. 言語領域のモニタリング法として確立された手法はなく, 新たな手法として皮質-皮質間誘発電位 (cortico-cortical evoked potential : CCEP) について概説する. 単発電気刺激を皮質に行い, 遠隔の機能関連皮質から誘発電位が術中に記録でき, これを用いた背側言語白質路モニタリングが有用と考えられる. 補足運動野や腹側言語白質路の一部もCCEPを用いて術中に同定が可能であり, さらなる術中機能モニタリング法として今後の普及が期待される.

温故創新
原著
  • 原田 敦子, 久徳 茂雄, 木本 優希, 宇津木 玲奈, 藤永 貴大, 有田 英之, 前野 和重, 上田 晃一
    2020 年 29 巻 7 号 p. 498-505
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/25
    ジャーナル フリー

     乳児期早期の頭蓋骨縫合早期癒合症に対して, 内視鏡支援下縫合切除術を行った7例についての初期治療経験を報告した. 平均手術時月齢は3.4カ月, 癒合部位は両側冠状縫合3例, 片側冠状縫合2例, 矢状縫合1例, 前頭縫合1例であった. 7例中4例で輸血を要した. 脳室腹腔シャントを要した1例で術後ヘルメット治療を完遂できなかったが, それ以外の6例では追加治療を要さず, 短期的には良好な頭蓋形態が得られた. 本術式は術後ヘルメット治療を要するものの, 低侵襲で結果も良好だが, 手術時期が乳児期早期に限られること, 必ずしも輸血を回避できていないことから, さらなる手術方法の工夫を要する.

症例報告
  • 高井 聡, 久我 純弘, 松岡 龍太, 前岡 良輔, 福留 賢二, 高橋 賢吉, 大西 宏之, 山本 慎司, 西岡 利和, 兒玉 裕司, 垰 ...
    2020 年 29 巻 7 号 p. 506-511
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/25
    ジャーナル フリー

     通常と異なるまれな機序で発症したrotational vertebral artery occlusion syndromeの1例を経験したので報告する. 52歳, 男性, 歩行障害, 右手指の巧緻運動障害が2日前から出現した. 頭部MRIでは左小脳, 脳幹に脳梗塞を認めたが, MRAでは頭蓋内主幹動脈には明らかな閉塞は認めなかった. 脳血管撮影では頭部正中位で左椎骨動脈は起始部から閉塞していたが, 頭部右回旋時に左椎骨動脈の開通を認めた. 頭部を右回旋した状態でCT angiographyを実施すると第6頚椎横突孔入口部近傍に軟部組織が存在し椎骨動脈の機械的閉塞の原因であると判明した. 治療は除圧術を選択しanterior approachによる左第6頚椎横突孔開放と直接圧迫に関与している組織の除去を行い椎骨動脈の閉塞は解除された.

  • 伊藤 英恵, 田中 洋次, 大仲 佳祐, 清水 一秀, 小林 大輔, 稲次 基希, 成相 直, 前原 健寿
    2020 年 29 巻 7 号 p. 513-518
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/25
    ジャーナル フリー

     Juvenile xanthogranuloma (JXG) は小児頭頚部の皮膚に多く発生する良性腫瘍で, 神経系に発生することはまれである. われわれが経験した頭蓋内単独JXGの症例を, 文献的考察を交えて報告する. 症例は14歳女性, 運動後の一過性頭痛と右視野がチカチカする発作を主訴に受診した. 左後頭葉底面に浮腫を伴う病変を認め, 開頭腫瘍摘出術を施行した. 病理所見で非ランゲルハンス細胞性の組織球症と考えられ, 臨床像と併せてJXGの診断となった. 本症は全摘出されれば再発はなく予後良好とされているが, 全身性に多発する症例もあり, 化学療法が必要となることもある. 長期予後も不明で今後慎重なフォローが必要と考えられた.

feedback
Top