抄録
EDAS後にも中大脳動脈領域の虚血症状が残存または再発した6症例に対して直接的血行再建術STA-MCA anastomosisを施行した.これらの症例は入院時の外頸動脈造影により3つのgroupに分類された.group1はEDAS周辺の頭頂部のみに血管吻合が認められるもの, group2は中硬膜動脈からの自然血管吻合のみを認めるもの, group3は血管吻合を認めないものであった.group1はEDASには用いられなかった前頭枝を前頭部の脳表動脈に吻合した.group2, 3はEDASに用いられた頭頂枝を中心動脈に吻合した.group1, 2は全例に良好な血行再建が得られ, group3での結果はやや不良であった.EDAS非有効例に対するSTA-MCA anastomosisによる再手術は術前のCTや外頸動脈撮影, 脳血流検査などを検討し適切な部位に行う必要があり, 適切な手術が行われれば優れた効果があるものと考える.