脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
頸椎症,頸椎椎間板ヘルニアに対する手術法選択
井須 豊彦
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2002 年 11 巻 7 号 p. 453-460

詳細
抄録
頸椎症,頸椎椎間板ヘルニアに対する手術法選択に関しては議論のあるところである.従来より行われてきた前方除圧固定術では腸骨採取に伴う合併症がみられ,多椎間病変に適応がなく,固定隣接椎間に起因する再手術がみられることなどが問題点として指摘されている.著者は前方除圧術を第一選択として行ってるが,4椎間以上の病変,黄色靭帯石灰化症の合併例に対しては後方アプローチを選択している.著者が前方アプローチとして採用している生体内分解吸収性スクリュー(ポリーL-乳酸)を用いた椎間板還納術や経椎体アプローチ法では手術椎間の可動性が温存されるため,手術隣接椎間に起因する再手術の発生頻度が減少する可能性があり,今後の検討が必要である.また本法では,頸部カラー等による頸部の外固定が必要ではない.
著者関連情報
© 2002 日本脳神経外科コングレス

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top