脳神経外科ジャーナル
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肺癌脳転移に対するガンマナイフ治療成績
芹澤 徹小野 純一井内 俊彦松田 信二佐藤 真人小瀧 勝平井 伸治大里 克信佐伯 直勝山浦 晶
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2003 年 12 巻 1 号 p. 3-9

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抄録
肺癌脳転移に対するガンマナイフ治療(gamma knife radiosurgery;GKS)成績をretrospectiveに検討した.対象は1)肺癌脳転移に対し初回治療として紹介,2)総脳病変数25個以下,3)2cm以上の腫瘍が5個以下,4)前医MRIで手術摘出不可能な3cm以上の腫瘍がない,の4条件を満たす231例である.3cm以上の病変は原則開頭腫瘍摘出術を行い,3cm未満の病変はすべてGKSで照射した.その後予防的全脳照射を施行せず,1〜3カ月ことの造影MRIで経過観察し,新病変が出現するたびに適宜GKSによる追加治療(salvage)を行った.累積腫瘍制御率,生存率,神経死予防率,QOL維持率,新病変出現率をKaplan-Meier法で算出した.既知の11予後影響因子の各survivalに対する危険度を,Cox比例バザードモデルを用いて解析した.腫瘍制御率は1年で96.5%,中央生存期間は7.7カ月であった.1年での神経死予防率は83.0%,QOL維持率は76.0%で,癌性髄膜炎の存在ならびに11個以上の転移の存在が,神経死予防,QOL維持に対する有意な予後不良因子であった.新病変は1年で72.1%に出現した.肺癌脳転移に対するGKS単独の治療成績は,神経死予防およびQOL維持の観点から満足できるものであった.しかし,癌性髄膜炎や11個以上の転移がある場合にはその適応には慎重であるべきと考えられた.
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© 2003 日本脳神経外科コングレス

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