2003 年 12 巻 10 号 p. 695-700
症例は77歳,男性で,右側内頸動脈偽閉塞,左内頸動脈高度狭窄(NASCET 99%)を認めた.右CEA1カ月後に左CEAを施行した.術後痙攣が頻発し,TCDで左中大脳動脈の流速上昇,SPECTで左大脳半球の血流増加,MRI拡散強調画像で左後頭葉の高信号域を認め,過灌流症候群と診断した.プロポフォールを用いた鎮静と厳重な血圧管理を行い,新たな神経脱落症候は認めず,独歩退院した.当院脳血管センターにおけるCEA後の過灌流症候群の診断と治療指針について,文献的考察を加え報告した.