抄録
astrocytic tumor における変異型上皮成長因子受容体"ΔEGFR"の発現について,免疫組織化学によって解析した.組織型別発現率はdiffuse astrocytoma 0% (0/19), anaplastic astrocytoma 21.4% (3/14), glioblastoma 48.8% (20/41)であった.TP53およびCDKN2A発現との相互関係はやや相補性を示唆したが,統計学的に有意ではなかった.またΔEGFRの発現は,分子生物学的には高い増殖能,アポトーシスの抑制,浸潤能の亢進といった腫瘍細胞の悪性形質と関係していることが示されているが,生存率解析では予後不良因子とは認められなかった.