2004 年 13 巻 10 号 p. 689-693
Radiosurgeryは脳動静脈奇形に対する有効な治療として広く知られており,その治療成績については数多く報告されてきたが,治療後長期間を経て初めて次々と新しい事実が明らかになってきている.われわれの最近の知見によると出血率はradiosurgery後待機中にも有意に減少することが期待でき,近年さらに合併症を抑えた治療が可能となった.その一方で,血管撮影上の閉塞が1つの治療目標ではあるが,それが究極的な治癒を意味せず,出血や嚢胞形成などのさらなる合併症の可能性を秘めているので,閉塞を確認した後も長期にわたる経過観察が必要不可欠である.これらよりradiosurgeryの適応は,やはり手術リスクの高い脳動静脈奇形に限定すべきであるが,同時にこれらに対しては有力な治療法であり続けるといえる.