脳神経外科ジャーナル
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クモ膜下出血の急性期脳循環代謝動態の評価と重症度との関連
伊藤 英道桜井 孝大島 幸亮林 龍男橋本 卓雄
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2004 年 13 巻 10 号 p. 701-705

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抄録

クモ膜下出血発症後の脳血流量,脳酸素摂取率,脳酸素代謝量の定量をSPECT,内頚静脈球部酸素飽和度を用いて行った.対象はクモ膜下出血で発症し,症候性脳血管掌縮を呈さなかった破裂脳動脈瘤36症例を軽症群27例,重症群9例の2群に分け各々を急性期(発症3日以内),亜急性期(同7〜10日)で比較した.結果は発症時より脳血流量,脳酸素代謝量は重症度に相関して障害されていた.脳血流量,脳酸素摂取率はそれぞれ脳酸素代謝量と相関関係を示した.したがって,症候性脳血管攣縮をきたしていない症例においては脳血流量と脳代謝がcouplingしており,クモ膜下出血における脳血流低下の主病態は脳代謝の低下によるものと考えられた.

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© 2004 日本脳神経外科コングレス
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