脳神経外科ジャーナル
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神経内視鏡が有用であった脳室炎後水頭症の1例
中島 雅央池田 尚人鈴木 泰篤阿部 琢巳
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2004 年 13 巻 9 号 p. 674-677

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抄録
症例は60歳,男性.急性水頭症を伴った右視床出血にて入院した.右側脳室へのドレナージ術を施行したがチューブトラブルのため右側脳室前角に限局した脳室炎を発症した.ドレナージ術と抗生物質の静脈内および脳室内投与にて治癒したが,左右側脳室の交通障害を伴う水頭症の残存を発症した.右側脳室前角が感染部位であったため,同部からの脳室腹腔短絡術は避け,神経内視鏡による開窓術を併用することで左側からの脳室腹腔短絡術による治療が可能となった.脳室炎後水頭症は,しばしば脳室内に隔壁を形成し多房性の水頭症を呈するためその治療には難渋することが多いが,その際には神経内視鏡を活用することが治療に有用と考えられた.
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© 2004 日本脳神経外科コングレス

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