脳神経外科ジャーナル
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悪性グリオーマの化学療法
河内 正人倉津 純一生塩 之敬
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2005 年 14 巻 9 号 p. 549-558

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抄録

1) 化学療法-これまでに得られたエビデンス: BTSG 75-01あるいは最近のmeta-analysisの結果はnitrosourea剤の有効性を示している(レベルI).一方, IFN-α, βの有効性は示されていない.2) Nitrosourea剤に対する薬剤耐性とその克服: 腫瘍組織内のMGMTレベルとBCNUあるいはACNUで治療された悪性グリオーマ患者の生存期間との相関が示されており, MGMTの枯渇化が耐性克服につながることが示唆される.3) 薬剤感受性の予測: MGMTレベルによりnitrosoureaあるいはtemozolomideに対する感受性を予測しうる.4) 新薬: glioblastomaにおいてtemozolomideの有効性が示された.Temozolomideに対する耐性克服としてbase excision repair systemはよい標的と思われる.5) 分子標的治療: glioblastoma患者において生存期間との相関が示されているEGFRはよい分子標的である.

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© 2005 日本脳神経外科コングレス
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