脳神経外科ジャーナル
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頭蓋頸椎移行部の外科の現状と未来
高安 正和
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2006 年 15 巻 1 号 p. 36-44

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抄録
頭蓋頸椎移行部の手術治療を考えるにあたっては, その解剖学的特殊性のため単に病変の除圧のみでは不十分であり, 常に脊柱の安定性の確保, つまり頭蓋脊椎の固定を考慮する必要がある.本総説では, 頭蓋頸椎移行部病変に対する外科における現時点で得られているエビデンス, 頭蓋頸椎移行部病変における各種手術アプローチ, 将来展望などについて述べる.病変の切除・減圧に関しては後方, 後側方のアプローチを選択することが多いが, 前方病変については経口手術や側方アプローチの適応も考慮される.また, 内固定法としては, 従来の移植骨とワイヤーを用いた固定法に代わり, より固定力の強いさまざまなinstrumentationが開発されてきた.Instrumentationの施行にあたっては, それぞれの長所, 短所を十分に理解し, 個々の症例の病態に基づき, 必要な固定範囲と強度を有する方法を選択するが, 固定後生ずる頸部運動制限を最小とする配慮も大切である.
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© 2006 日本脳神経外科コングレス

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