脳神経外科ジャーナル
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脳動脈瘤治療の現状と問題点(<特集>脳動脈瘤の治療)
滝 和郎
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2006 年 15 巻 12 号 p. 822-826

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抄録
脳動脈瘤治療上の問題点と近未来について,最近の文献に基づいて概観した.ISATとCARATの調査報告は,破裂脳動脈瘤の治療に衝撃を与えている.開頭クリッピングからコイルによる塞栓術に治療が変わろうとしている.一方,未破裂脳動脈瘤の治療では,コイル塞栓術の初回出血抑止効果がまだ完全とはいえず,現状では,5あるいは7mm以上で,開頭手術が解剖学的な位置からアプローチ困難な前床突起近傍,海綿静脈洞,あるいは椎骨脳底動脈領域に限られるようである.また血管内治療の新しい器具として,ハイドロゲルを付着したコイル,薬剤放出型のコイル,液体塞栓材料,動脈瘤頸部形成用ステント,膜付きステントなどについての文献的考察を行った.
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© 2006 日本脳神経外科コングレス

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