脳神経外科ジャーナル
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70歳以上の急性期破裂脳動脈瘤に対する瘤内塞栓術およびクリッピング術の治療成績
新堂 敦川西 正彦河北 賢哉三宅 啓介香川 昌弘河井 信行田宮 隆長尾 省吾
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2006 年 15 巻 12 号 p. 834-840

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抄録

高齢者クモ膜下出血患者に対するコイル塞栓およびクリッピングの成績を検討した.過去11年間に急性期治療が行われた70歳以上の46例(Coil群:27,Clip群:19)を対象とした.基本的には75歳以上,重症例,後頭蓋窩,全身合併症を伴う例にはコイル塞栓を,70〜74歳ではクリッピングを第一選択とした.退院時GOSでGR,MDを転帰良好とすると,H&K grade I〜IIIではCoil群:11/14例(78.6%),Clip群:6/13例(46.2%)が良好であった.Grade IVでは両群とも転帰良好例はなく,肺炎をきたす例が多かった.高齢者にとってコイル塞栓は有用であるが,重症例では慎重に適応を決定するべきである.

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© 2006 日本脳神経外科コングレス
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