脳神経外科ジャーナル
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脳梁離断術の歴史と手術適応(<特集>てんかん外科)
馬場 啓至小野 智憲戸田 啓介馬場 史郎
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2007 年 16 巻 3 号 p. 177-183

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抄録

脳梁離断術は発作の二次性全般化を防止する目的で1940年Van WagenenとHerrenにより報告された.しかしながらその後,全般発作に対する有効性が確認され,過去30年多くの症例に行われた.特に脱力発作,強直発作,全般性強直間代発作に有効で,複雑部分発作についてはその効果が一定していない.手術適応を含め,手術時期,離断範囲など未解決の点も多い.切除外科とは異なり,脳梁離断術はあくまで緩和手術であるため,発作消失率は低いが,術後発作軽減が得られ,ADL改善につながる.脳梁離断術の歴史,脳梁のてんかんにおける役割,発作抑制機序について考察した.

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© 2007 日本脳神経外科コングレス
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