脳神経外科ジャーナル
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術後管理におけるdexmedetomidine (Precedex^[○!R])の有用性(手術手技・周術期管理)
東 久登大塚 真司西本 健安藤 泰
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2007 年 16 巻 8 号 p. 646-651

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抄録
Dexmedetomidineは非常に選択性の高いα_2アドレナリン受容体作動薬で,ユニークな鎮静作用(寝ているようにみえるが,容易に覚醒する)と交感神経抑制作用を有する薬剤である.われわれは脳神経外科手術患者20例に対して,術後の集中治療管理にdexmedetomidineを使用し,術前と薬剤投与下の血圧や心拍数を比較した.【結果】血圧と脈拍は有意な低下を示していた(n=20,p<0.05).術前に意識レベルが清明であった7例で鎮静効果が確認でき,神経学的検査が可能であった.8例で低血圧あるいは徐脈を認めたが,脈拍が40/min以下となった1例を除き,全身状態が安定していたため投与を継続することができた.【結語】Dexmedetomidineは,脳神経外科手術術後の集中治療管理に有用であると思われる.
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© 2007 日本脳神経外科コングレス

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