脳神経外科ジャーナル
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鎖骨下動脈閉塞によるsubclavian steal syndromeに対し総頸動脈-鎖骨下動脈間バイパス術が有用であった2例
千田 光平小笠原 邦昭小林 正和菅 康徳吉田 研二小川 彰
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2008 年 17 巻 8 号 p. 627-632

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抄録
Subclavian steal syndromeに対する治療として,内科的治療,血管内治療および外科的治療がある.今回われわれは,発作を繰り返したsubclavian steal syndromeをきたした鎖骨下動脈閉塞症に対し総頸動脈-鎖骨下動脈間バイパス術が有用であった2例を経験したので報告する.症例は65歳の男性および60歳の男性で,2例とも複数回の椎骨・脳底動脈系の虚血症状をきたしたため手術適応と判断し,左総頸動脈-伏在静脈graft-左鎖骨下動脈バイパス術を施行した.本手術は術中脳虚血が最大の問題となるが,本2症例では頸動脈の遮断時間は短く,術中虚血は問題にならなかった.完全閉塞に対して本手術は,確実な治療法であると考えられる.
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© 2008 日本脳神経外科コングレス

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