脳神経外科ジャーナル
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卒後臨床研修制度の光と影(<特集>脳神経外科医療と社会環境)
嘉山 孝正佐藤 慎哉
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2009 年 18 巻 1 号 p. 4-11

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抄録

卒後臨床研修が義務化され4年を経過した今,「医師の大学離れ,診療科偏在,地域医療の崩壊」など,本制度の負の影響が顕在化している.日本の医学教育が,従来,大学病院を中心に行われ,世界一の医療水準を達成してきたことに鑑み,医師の生涯教育は大学病院で行うことが最も効率がよく,医療の質を高く保てるものと考える.もちろん,一部の大学医局の教育に問題がなかったわけではなく,大学医局の自浄作用や改善が必要なことは論を俟たないが,システムとして大きく日本の医学教育・生涯教育を破壊した新臨床研修制度をよりよく改善する時期であることは間違いない.本稿では,本研修制度を検証し,今後大学病院が果たすべき役割を考察する.

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© 2009 日本脳神経外科コングレス
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