脳神経外科ジャーナル
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グリオーマの最新治療と今後の展望(<特集>悪性グリオーマ治療の進歩)
村垣 善浩丸山 隆志田中 雅彦伊関 洋岡田 芳和
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2010 年 19 巻 12 号 p. 892-898

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抄録
日本におけるグリオーマ治療成績の向上を確信している.技術進化による画像上摘出率の向上とtemozolomide導入がその主因である.今回,さらなる予後改善のために開発され,臨床研究や治験に到達している新規治療法を主に紹介する.免疫療法はEGFRvIII,WT1,自家腫瘍などの種々のワクチンが近年化学療法併用で期待できる結果を出し,組み換えヘルペスウイルスやoncolytic virusをベクターとした新規の遺伝子治療もヒト応用が開始された.転移がまれなグリオーマに対しては種々の局所治療も考案されており,抗癌剤徐放Wafer,微量ポンプによって脳内に直接薬剤を投与するconvection-enhanced delivery法や薬剤投与後レーザー照射する光線力学療法や放射性同位元素をオンマイヤから注入する方法,集束超音波治療などが報告されている.今後の展望としてこのような物理力×薬剤の複合治療法とともに幹細胞を用いた治療などが期待される.
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© 2010 日本脳神経外科コングレス

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